フィールドノート No.2175

 2022/09/16(金)

 オガタマノキ

 東京大学千葉演習林にて。オガタマノキに若い果実がついている(写真1)。

オガタマノキの若い果実
  • 写真1

 オガタマノキは房総南部を北限としている。ここのオガタマノキは見本木として植栽されたものだ(写真2)。そろそろオガタマノキの果実ができているかもしれないと思ったのだが、まだ少し早かったようだ。

  • 写真2 並んで植えられている

 地面に古い果実が落ちていたので拾ってきた(写真3)。オガタマノキの果実は、複数の袋果(たいか)が集まった集合果である。袋果の表面に水玉模様のようなポツポツがある。よく見れば樹上の若い果実にもポツポツは見える(写真1)。水玉模様の果実とは、ちょっとポップな感じだ。

オガタマノキの古い果実
  • 写真3

 拾った果実の中身はほとんどが空だったが、ひとつだけ種子が入っていたので取り出してみた(写真4、5)。しかし、未熟な種子のようだ。

  • 写真4 果実と種子
  • 写真5 種子

 オガタマノキは、コブシやホオノキ、よく街路樹などになるシモクレンやハクモクレンの仲間。これらの果実は袋果が複数集まった集合果で、熟すと果皮が割れて中から赤い種子が覗くのが共通している。オガタマノキも、写真5よりもっと大きな種子ができるはずだが、今回拾ったのは未熟なうちに落ちてしまった果実のようだ。割れた果皮から赤い種子が覗いている様子をぜひ見たいものである。

  • オガタマノキ Magnolia compressa(モクレン科)
  • コブシ Magnolia kobus(モクレン科)
  • ホオノキ Magnolia obovata(モクレン科)
  • シモクレン Magnolia liliiflora(モクレン科)
  • ハクモクレン Magnolia denudata(モクレン科)

(西内李佳)