フィールドノート No.2182

 2022/09/30(金)

 ヒメセアカケバエ

 長柄町にて。前胸が鮮やかな紅色の美しいケバエが朽ちた切り株に集まっていた。体長1センチほどのヒメセアカケバエというケバエの仲間だ(写真1)。黒っぽいだけのケバエにはふだんは見向きもしないのだが、このケバエの鮮やかな紅色に目が止まった。

朽ちた切り株に止まるヒメセアカケバエ
  • 写真1

 ケバエ類の幼虫は腐った植物や獣糞などを餌とし、人家に近い湿った落ち葉や堆肥の下から時に大発生し、刺したり咬んだりしないにもかかわらず、人には不快昆虫とされ嫌われている。

 ケバエ類では、オスとメスで頭の大きさが顕著に異なる。写真2の左の個体はオス、右はメスだ。目(複眼)の大きさもオスの方がメスより何倍も大きい。メスを見つけるために、オスはあれほど大きな目が必要なのだろうか。

  • 写真2 左がオス、右がメス(頭の大きさが顕著に異なる)
  • ヒメセアカケバエ Penthetria japonica(ケバエ科)

(斉藤明子)