フィールドノート No.2194

 2022/10/20(木)

 トサカグンバイ

 元清澄山系にて。アセビの葉にそばかすのような斑点がある(写真1)。このような斑点は葉裏に隠れた昆虫を見つける手がかりだ。

  • 写真1

 裏返してみると期待通り小さな昆虫が隠れていた(写真2)。体長は3ミリほど。グンバイムシの一種のトサカグンバイである。グンバイムシの仲間は広い意味でのカメムシ類に含まれる。

  • 写真2

 遠目には白と黒の模様に見えるが、白く見えるの翅の透明な部分(写真3)。全体にレース編みのような繊細な造形が美しい。

  • 写真3

 横から見たときに黒い頭のように見えるふくらみは「帽状部」と呼ばれ、頭部ではなく前胸背面にある構造(写真4)。頭部はこの帽状部の下に隠れている。トサカグンバイはこの帽状部が大きく、まさに「鶏冠(とさか)」のようだ。

  • 写真4
  • アセビ Pieris japonica(ツツジ科)
  • トサカグンバイ Stephanitis takeyai(グンバイムシ科)

(尾崎煙雄)