フィールドノート No.2199

 2022/11/10(木)

 シカの糞を運ぶオオセンチコガネ

 元清澄山系にて。林床に赤紫色に輝く甲虫がいるのを見つけた(写真1)。オオセンチコガネだ。体長は1センチ強。

  • 写真1

 自分の身体と同じくらいの大きさの糞に取りついている(写真2)。シカの糞を運んでいるようだ。オオセンチコガネの雌は地面に掘った穴にシカ等の糞を運びこみ、自分で食べたり幼虫の餌にする。

  • 写真2

 哺乳動物の糞を餌とするコガネムシ類を「糞虫」という。糞を丸めて転がして運ぶ糞虫を「フンコロガシ」と呼ぶが、オオセンチコガネの場合、前脚でしっかりと糞を抱え、後ずさりしながら運ぶ。

  • 動画 シカの糞を運ぶオオセンチコガネ

 しばらく撮影していたら、私の気配に気づいたのか、糞を放棄して逃げ出してしまった(写真4)。餌運びの邪魔をして申し訳なかった。

  • 写真3
  • オオセンチコガネ Phelotrupes auratus auratus(センチコガネ科)
  • ニホンジカ Cervus nippon(シカ科)

(尾崎煙雄)