フィールドノート No.2200

 2022/11/11(金)

 ユビナガコウモリ

 君津の山中にて。トンネルの天井でユビナガコウモリが集団で寝ていた(写真1、2)。

ユビナガコウモリの集団
  • 写真1
ユビナガコウモリ
  • 写真2

 このトンネルは川廻し(千葉県の上総南部の丘陵を流れる川のみにみられる特殊な河川曲流短絡工事)により作られたものだが、今は人が訪れることも無く忘れられたような場所にある。ユビナガコウモリは洞口幅が広く洞内下部に水のある洞穴を選ぶ傾向がある(三笠ほか,2005)とのことだが、このトンネルはまさにそのような場所だった(写真3)。

  • 写真3 川廻しトンネル

 時期的に越冬に入るには少し早いかもしれないが、光を当てても動じることは無く、飛び立つものはいなかった。小規模な集団だが、人間の影響が無くなったこのトンネルを利用して、ずっとこの森に生息していて欲しいと思う。

  • 【参考文献】
  • 三笠暁子・繁田真由美・浅田正彦・水野昌彦・長岡浩子・相澤敬吾(2005) 千葉県における洞穴性コウモリ類の生息状況. 千葉中央博自然誌研究報告8(2):17-32.
  • ユビナガコウモリ Miniopterus schreibersi(ヒナコウモリ科)

(斉藤明子)