フィールドノート No.2215

 2022/12/09(金)

 シラフチビマルトゲムシ

 旧三島小にて。教室博物館のある校舎の外れの屋外に、小さな流しがある。その流しの下の地面がフサフサと苔生していた(写真1)。

苔生した流しの下の地面
  • 写真1

 しゃがみ込んでコケを良く見ると、毛に覆われた3ミリほどの丸い甲虫がコケの中で光っていた。これはシラフチビマルトゲムシ(写真2)。上翅には白、黄色、褐色の毛による斑紋を持ち、なかなか美しい。

コケに居たシラフチビマルトゲムシ
  • 写真2

 マルトゲムシ科は日本からは四十数種が記録されているだけの小さな科だ。後翅が無く飛べない種類もいるが、この種は後翅を持ち、光に飛んでくることもある。マルトゲムシ類は石の下やコケの中から見つかる、と図鑑に書いてあるとおりに、コケの中にいるところを見つけてうれしくなった。

 コケが専門の同僚にこのコケを同定してもらったところ、ハリガネゴケという種とのこと。辺りの地面も同じように苔生していたので、這うように探してみたが、追加個体を見つけることはできなかった。直接雨があたらず、かつ適度な湿度のあるこの流しの下のような環境が好きなのかもしれないが、そのような場所はありそうで多くなかった。

  • シラフチビマルトゲムシ Simplocaria hispidula(マルトゲムシ科)
  • ハリガネゴケ Rosulabryum capillare(ハリガネゴケ科)

(斉藤明子)