フィールドノート No.2223

 2022/12/21(水)

 雄のクロスズメバチ

 清澄山系にて。ずいぶんと気温が下がり、房総丘陵の遅い紅葉が美しかった(写真1)。

美しい紅葉
  • 写真1

 ふと、石の上を歩いているクロスズメバチが目に入った(写真2、3)。

岩の上のクロスズメバチ
  • 写真2
岩の上のクロスズメバチ
  • 写真3

 気温が低いせいか動きは鈍かった。クロスズメバチはスズメバチの中でも特に小形で、体長は15ミリほど。攻撃性も低い。長野県などでは幼虫や蛹が「蜂の子」として食用される。

 小形と言っても毒を持つスズメバチだ。つかんで刺されたくはない。だが、どうやらこれは雄のようだ。ハチの毒針は産卵管が変化したものなので、刺すのは雌だけだ。雄ならば刺されないと、安心して観察したがその後飛び立つことも無く、岩の上をノロノロと歩くだけで特に面白い行動を見せることは無かった。このハチの寿命はもうすぐ尽きるのだろう。

  • クロスズメバチ Vespula flaviceps(スズメバチ科)

(斉藤明子)