フィールドノート No.2254

 2023/04/29(土)

 旧三島小学校発、最後の観察会

 観察会「山の学校157 春の里の生きもの」で、旧三島小学校から三島神社までのコースを巡った。親子連れが多かったので、だれでも関心を持ってくれそうな、食べられる植物と危険な植物にスポットを当てての案内となった(写真1)。

  • 写真1 

 食べられる植物としては、ノビル、サンショウ、ゼンマイ、ワラビ、クワ(ヤマグワ)、ナワシロイチゴ、モミジイチゴなどを紹介した。モミジイチゴは花が終わり、実が熟す前の時期だったので、試食できなかったところが残念だった(写真2)。

  • 写真2 

 危険な植物としては、ヒガンマムシグサやヌルデ、ツタウルシ(写真3)を紹介した。「毒」や「危険」は、子どもたちの心に響くワードらしい。同じウルシ科でもヌルデに比べてツタウルシの毒は極めて強力で、「ウルシ科最強」とも言われている。

  • 写真3 

 ツタウルシが這っていたスギは三島神社の大木の一本。神社の参道沿いには見事なスギの巨木が並んでいる。三島神社は鎌倉時代の創建といわれ、約800年の歴史がある。スギの巨木たちも、その頃からの木なのだろうか(写真4)。

  • 写真4 

 三島神社を抜けて、旧三島小学校に向かった(写真5)。今回で旧三島小学校を出発点とする観察会は終了。子どもでも安心して案内でき、様々な植物に巡り合えるコースだったので、ちょっと残念だ。

  • 写真5 
  • ノビル Allium macrostemon(ヒガンバナ科)
  • サンショウ Zanthoxylum piperitum(ミカン科)
  • ゼンマイ Osmunda japonica(ゼンマイ科)
  • ワラビ Pteridium aquilinum(コバノイシカグマ科)
  • ヤマグワ Morus australis(クワ科)
  • ナワシロイチゴ Rubus parvifolius(バラ科)
  • モミジイチゴ Rubus palmatus(バラ科)
  • ヒガンマムシグサ Arisaema aequinoctiale(サトイモ科)
  • ヌルデ Rhus javanica(ウルシ科)
  • ツタウルシ Toxicodendron orientale subsp. orientale(ウルシ科)
  • スギ Cryptomeria japonica(ヒノキ科)

(斎木健一)