フィールドノート No.2259

 2023/05/26(金)

 ヒノマルコモリグモ

 清和小学校教室博物館の前をヒノマルコモリグモの雄が歩いていた。背中と前足の白が美しい(写真1)。クモには網を張って餌がかかるのを待つクモと、地上を歩き回って獲物に飛びつくクモがいるが、ヒノマルコモリグモは地上を歩き回るタイプ。

  • 写真1 

 コモリグモ科にはヨーロッパに分布するタランチュラコモリグモが含まれるため、かつてはドクグモ科と呼ばれ、古い図鑑をみるとヒノマルドクグモと記されている。しかし、実際には毒性は低く、人に害もないので、誤解を招く名前との批判を受けて科名、種名とも一括してコモリグモに改名された。

 正面から見ると、つぶらな瞳が4つ、前に並んでいる。残りの4つの目は後ろに2列になっているので、4-2-2だとされている(写真2)。なんだかサッカーのフォーメーションみたいだ。

  • 写真2 

 写真に指を入れたので大きさがわかる。私の左手人差し指の爪は幅1.2センチなので、この個体の体長は1センチほど(写真3)。

  • 写真3 
  • ヒノマルコモリグモ Arctosa ipsa(コモリグモ科)
  • タランチュラコモリグモ Lycosa tarantula(コモリグモ科)

(斎木健一)