フィールドノート No.2263

 2023/06/01(木)

 ハバチ幼虫2種

 君津市の里山にて。アケビの葉に、あざやかなオレンジ色のイモムシがいた(写真1〜2)。

あざやかなオレンジ色のイモムシ
  • 写真1
あざやかなオレンジ色のイモムシ
  • 写真2

 腹脚が多いのでこれはハバチの幼虫。調べてみるとチャイロハバチの幼虫のようだ。この種の食草はヘクソカズラであることが知られている。この日はアケビの葉上に複数の幼虫が見られたが、アケビを食草としていたかどうかは不明である。上から見るとオレンジ一色に見えるが、よく見ると頭部と脚は黒色だ(写真3)。

頭部と脚は黒色
  • 写真3

 ハバチの幼虫はたいてい小さくクリッとした黒い目を持ち、とても可愛らしい顔をしているものだが、この幼虫は頭部が真っ黒なので、せっかくの可愛らしい目がどこにあるのか判らない。

 ナルコユリには真っ黒なハバチの幼虫がいた(写真4)。

真っ黒なハバチの幼虫
  • 写真4

 こちらはヒゲナガクロハバチの幼虫。ナルコユリの葉を先端からきれいに食べている(写真5)。この幼虫はどちらが前かもわかりにくいほど全身が真っ黒だ(実際には写真4の幼虫はすべて右側が頭)。

先端から食い尽くされたナルコユリ
  • 写真5
  • アケビ Akebia quinata(アケビ科)
  • チャイロハバチ Nesotaxonus fulvus(ハバチ科)
  • ヘクソカズラ Paederia foetida(アカネ科)
  • ナルコユリ Polygonatum falcatum(クサスギカズラ科)
  • ヒゲナガクロハバチ Phymatocera nipponica(ハバチ科)

(斉藤明子)