フィールドノート No.2267

 2023/06/11(日)

 体験イベント「チバニアン期の貝化石を拾ってみよう」

 松戸市の21世紀の森と広場にて。夏から始まる特別展「チバニアン期の古生物」の広報のため、体験イベント「チバニアン期の貝化石を拾ってみよう」を行った(写真1)。

  • 写真1 中央博物館の体験イベント受付

 チバニアン期とは、今から約77.4~12.9万年前の地質時代の名前。今日は、約30万年前の地層由来の化石が含まれる砂(写真2)の中から、気に入った化石を拾って、お土産として持ち帰っていただいた。

  • 写真2 約30万年前の地層由来の化石が含まれる砂(コンテナの長辺は約60センチ)

 まず、化石が含まれる砂を篩(ふるい)にかけて、砂をバケツの中に落とす(写真3)。次に、篩の上に残った化石の中から、ピンセットを使ってお気に入りを探していただいた(写真4)。特に、トウキョウホタテなどの二枚貝の化石を拾っている参加者が多かった(写真5)。

  • 写真3 化石が含まれる砂を篩にかける様子(バケツの直径は約30センチ)
  • 写真4 ピンセットを使って化石を拾う様子
  • 写真5 砂の中から拾い出したトウキョウホタテの化石(目盛りの単位はミリ)

 トウキョウホタテは、現在の海に住んでいるホタテガイ(食用になる二枚貝)に似ているが、放射肋(ほうしゃろく)の数や分岐の仕方が異なる。殻長10センチを超えるトウキョウホタテの化石(写真6)を見ると、ホタテガイと似ているためか「おいしそう!」と歓声をあげて、化石をなでる参加者もいらっしゃった。トウキョウホタテは絶滅種(現在は生きていない種)なので、味は想像するしかない。

  • 写真6 殻長10センチを超えるトウキョウホタテの化石

 この日は、ボランティアや同僚の皆様のご協力のおかげで、合計102人もの参加者に貝化石を拾っていただけた。夢中になって拾っている参加者も多く、チバニアン期の貝化石に親しんでいただけたと思う。夏から始まる特別展(令和5年7月15日~令和5年9月18日)では、貝化石にとどまらず、様々な化石がかつてない規模で大集合する予定なので、ぜひご来館いただきたい。

  • トウキョウホタテ Mizuhopecten tokyoensis(イタヤガイ科)

(千葉友樹)