2024/08/29(木)
浅間神社(松戸市)のフェアリーリング
8月29日に松戸市小山の浅間神社を訪問。ここの林は極相林が残されているということで、県指定天然記念物になっている(写真1)。
- 写真1 浅間神社入入口。鳥居の横に神社の森が天然記念物に指定されていることを示した碑が見える。
境内にはアカガシやタブノキの大木が生い茂り、街なかにもかかわらず、静かな環境が保たれている。境内を散策中、本殿裏手の落ち葉を集めたところにオオシロカラカサタケが輪状に生えているのを見つけた(写真2、3)。
- 写真2 本殿の裏、落ち葉を集めたところに輪状に発生したオオシロカラカサタケ。
- 写真3 落ち葉はクスノキやスダジイの葉が多かった。
オオシロカラカサタケは元来熱帯性のキノコだったが、1980年に大阪で見つかりその後北上して2000年には千葉市に到達した。現在では県内で広く見られるキノコになっている。天然記念物として保護されている森でも、地球温暖化の影響を避けることはできない。食べると嘔吐、下痢、発熱症状を引き起こす毒キノコだが、輪状に生え菌輪(フェアリーリング)を作るキノコとしても有名である(写真4、5、6)。
- 写真4 大型のキノコで、かさの直径は15cm近くに達していた。
- 写真5 ヒダが緑色を帯びるのが特徴。柄につばがある。
- 写真6 幼菌は球形。
- アカガシ Quercus acuta(ブナ科)
- タブノキ Machilus thunbergii (クスノキ科)
- オオシロカラカサタケ Chlorophyllum molybdites (ハラタケ科)
- クスノキ Cinnamomum camphora(クスノキ科)
- スダジイ Castanopsis sieboldii (ブナ科)
(斎木健一)