フィールドノート No.2268

 2025/3/26(水)

 ヒメリュウキンカ

 印西市の道端にヒメリュウキンカが群生していた(写真1)。ヨーロッパ周辺が原産の帰化植物で、光沢のある黄色い花びらは、キンポウゲの花びらによく似ている。かつてはキンポウゲやキツネノボタンと同じキンポウゲ属に分類されていたが、分子系統解析の結果、キクザキリュウキンカ属に変更された。  花を拡大すると、一つの花に多数の雄しべと雌しべが見える(写真2)。タンポポやヒマワリの花も、一つの花のように見えるが、実際には多数の小さな花が集まったものである。それぞれの小花を詳しく見ると、雌しべは1本、雄しべは5本しかない。ちなみにヒメリュウキンカは有毒植物であり、全草に毒が含まれている。牛や羊が食べると中毒を引き起こすことがある。

  • 写真1 周囲が冬景色なのに元気に開花しているヒメリュウキンカ。アメリカのいくつかの州では侵略的外来種に指定されている。
  • 写真2 中央の壺型の突起が雌しべ、周囲の細い鱗片が雄しべ。一番外側の広い鱗片は花弁(花びら)。
  • キンポウゲ Ranunculus japonicus (キンポウゲ科)
  • キツネノボタン Ranunculus silerifolius (キンポウゲ科)
  • ヒメリュウキンカ Ficaria verna (キンポウゲ科)

(斎木健一)