2025/7/22(火)
姉崎天神山古墳
市原市の姉崎天神山古墳を訪れた。古墳時代前期の前方後円墳としては千葉県域で最大規模を誇り、全長130m、後円部高14m、前方部高7mを測る。これまで発掘調査は行われていないが、測量調査は実施されており現況の墳丘の形態が記録されている。前方部が低平で、自然の地形を利用している立地などから築造時期が推定できる。前方部のもっとも後円部に近いところに菅原神社が祀られている。いわゆる天神様であり、これが古墳の名称の由来となっている。古墳へは麓から前方部端の中央に至る階段を上っていく。墳端の手前左手に説明板が整備されている。さらに続く前方部の階段を上っていくと真新しい鳥居があり、それをくぐると前方部の平坦面に至る。菅原神社は前方部の墳丘斜面を削り造成されたところに建っており、この古墳に墓道があるとすれば、損傷を受けている可能性はあるが、全体として保存状態の良い古墳だ。ただ、墳丘斜面には木々が生い茂り、現地で墳形を把握し難く、見通しが効かないのは少々残念。昭和43年(1968)に千葉県指定史跡となっている。
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写真1 姉崎天神山古墳の前方部に至る階段
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写真2 階段の途中に整備されている説明板
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写真3 前方部にある菅原神社(手前)と社殿(奥)
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写真4 平坦な前方部を社殿側(後円部側)から見る
(黒田篤史)