フィールドノート No.2384

 2025/7/22(火)

 二子塚古墳

 市原市の二子塚古墳を訪れた。古墳時代中期前半の大型の前方後円墳で、全長114m(推定)、後円部高9.5m、前方部高8.5mを測り、平地に築かれ周囲に盾形の周溝が廻っていたようだ。後円部が高く、くびれ部が低くなり、再び前方部の端が高くなっていることから、横から古墳を見ると2つ塚があるように見えるため、それが名前の由来となっている。1947年に発掘調査が行われ、円筒埴輪、朝顔形埴輪のほか、銅鏡、銀製耳飾やヒスイ製勾玉などのアクセサリー、金銅製衝角付冑、鉄鏃、石枕とそれに付随する立花などが出土した。石枕は国の重要文化財に指定されている。これらの遺物は國學院大學博物館が所蔵している。墳丘に木が生えているがあまり密ではないため、見学に支障はない。広い平地にあり、周囲の見通しが良く、北東に姉崎天神山古墳の方を見通すこともできる。立地や墳形について、前期古墳の姉崎天神山古墳と比較しながら見ると、中期古墳の特色が良くわかるので、両方見学することをおすすめする。昭和43年(1968)に県指定史跡となった。

    写真1 二子塚古墳を真横から見る
    写真2 古墳南東側裾に整備されている説明板
    写真3 前方部端から後円部を眺める
    写真4 前方部端から南東に姉崎天神山古墳を望む

(黒田篤史)