あみがさ【編み笠】

 イ草を編んで作った頭にかぶる笠。農作業の時などに使い,日除けになった。軽くて涼しいので今でも使われている。主に女性の被りもので購入してから,あご紐をそれぞれおしゃれな色で作り,自分の目印にした。水郷地域では昭和35年頃までは,ほとんどの人が使っており,男性も使った。農作業用の布製の帽子が普及してきてしだいに少なくなった。現在は,香取郡の佐原周辺から茨城県の東町が主な生産地で,農業の合間に女性が作っている。笠の形は下総地方では外縁に竹ひごが入っているのが一般的で,八日市場などの植木の産地では柔らかい竹ひごが入っていない笠が使われている。また上総地方では縁を外側に編み上げた形が主に使われている。頂上の突起が藁などを積み上げるノウボッチに似ているところから,「ぼっちがさ」と呼ばれている。
教師用解説