たんす【箪笥】

 衣装,小道具などを整理保管するのに用いる家具。箪笥には,衣装をしまう衣装箪笥や食器や食べ物を入れておく水屋箪笥など,用途によっていろいろな形があった。特殊なものには船箪笥などもある。材料は桐,檜,杉,欅など様々なものが使われているが,衣装箪笥には火に強く湿気を調節でき,軽くて加工しやすい桐材がおもに使われた。大正12年の関東大震災以後,上段は引き違い戸の戸棚の下に小引き出しが並び,中段は両開きの扉で中が引き出し式の盆になり,下段は深い引き出しが二段という,三つ重ねの東京式箪笥が東京地域の需要に応えて各地の生産地で作られ,このことを契機として画一化した桐箪笥が全国にいきわたった。洋服はハンガーに掛けるが,着物はたたんで仕舞うために,引き出しが多くある。
教師用解説