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収蔵品展 文書にみる水郷の暮らし
農を営む
会 期   平成13年3月13日(火)〜5月6日(日)   午前9時〜午後4時30分
休館日   月曜日
会 場   千葉県立大利根博物館第3展示室
入場料   無料

 当館が開館以来寄贈・寄託等受けて収蔵してきた古文書を陳列する展覧会で、今回は、「農を営む」をテーマに、水郷地域の
農業の歴史について、新島の成立から、近世から近代の土地、農書、稲の品種、農具の種類など、かつての水郷の農業を、古文書とその解説、及び関係資料で紹介します。

主な展示資料
(1)新島の成立 水郷地域の中でも、近世初頭になって成立した新島領の沿革について、由来書や絵図によって紹介する。
・貞享3年(1686)村境取決絵図 個人蔵
・延宝6年(1678) 水面隠田見分境裁許絵図写 香北土地改良区蔵
・明治24年(1891) 千葉県下総国香取郡十四ヶ村全図 館蔵
・年欠 新嶋領覚書 個人蔵
・天保14年(1843) 天正年中より元禄年中迄之古書改清書覚 館蔵
・元文5年(1740) 加藤須村開基覚 館蔵

(2)新島の農地 頻繁に起こる水害によって収穫が安定しなかった新島領が、近世中期になってようやく村高が確定した延享元年の検地や、その後の農地の拡大や維新時の農地確保の対応などを紹介する。
・天保15年(1844) 村明細帳 個人蔵
・延享元年(1744) 下総国香取郡新嶋領加藤洲村検地野帳 館蔵
・文政12〜天保3年(1829〜32) 本田新田為取替議定書 館蔵
・天保13年(1842) 御用留 館蔵
・明治17年(1884) 新嶋領地券丈量簿 館蔵 他

(3)農書のひろまり 近世は農書の時代といわれるように、農業技術・育種技術が飛躍的に発展した。そうした発展を跡付ける農書と、近代になって紹介された外国の農書を紹介する。
・文化15年(1818) 草木育種 上巻(版本) 館蔵
・明治年間 農具便利論 上・中・下(版本) 館蔵
・年欠 馬医書 全(写本) 館蔵
・明治7年(1874) 農業三事 上・下(版本) 館蔵
・明治8年(1875) 斯氏農書 17巻(版本)、斯氏農業問答 3巻 館蔵 他

(4) 百年前の米 水郷ではどんな米を作ってきたのか。約百年前の古文書に記された稲の品種と、その中の一部を実物で紹介する。
・慶応3年(1867) 当卯田植中日記控 館蔵
・明治4年(1871) 当未早稲晩稲稲苅帳 館蔵
・明治26年(1893) 稲把簿 館蔵 他

(5) 農具をそろえる 近世末期の新島領の一軒の農家が5年間に買い揃えた道具控えを元に、当時の農具の種類を一部実物をまじえ紹介する。
・安政7年(1860) 諸道具求帳 館蔵

(6) 農の智恵 農を営む際に、最も役立つのは先祖からの伝承と経験である。そうした民族知識と、近代になって各地で開発され始めた農機具に関する資料を紹介する。
・安政5年(1858) 蒔物万覚帳 館蔵
・大正6年(1917) 鈴木式俵編機発売の広告 館蔵 他

『農具便利論』明治年間 上・中・下
(版本) 
農学者大蔵常永(1766〜?)が著した書である。