企画展
「水郷-水のさとに生きる-」
会 期   平成16年5月29日(土)〜6月27日(日) 期間中無休   午前9時〜午後4時30分
会 場   千葉県立大利根博物館第3展示室
企画展観覧料   一般300円、高・大学生150円 
            但し、小中学生以下と65歳以上の方と障害者とその介護の方は無料です。

かつて水辺の生活がここにはありました。
水から恩恵と災いを受け、
豊かで厳しい自然と共に
生活を送っていました。
いまは失われた水郷の魅力を
喜・土・哀・楽・自然にわけて紹介します。


喜(き)   収穫の喜び

水郷の広大な水田や湖沼にはエンマと呼ばれた水路がはりめぐらされ、そこには多くの淡水魚が棲み、海からさかのぼる魚とあわせて格好の漁場でした。漁として、また日々の糧として人々は魚を獲りました。

コイウケをあげる【昭和31年】

土(ど)    土地を愛した人々

江戸時代には香取神宮・鹿島神宮・息栖神社の三社詣で、また明治時代以降風光明媚な水郷は文人たちに愛された土地でした。都市にはない非日常的な風景に触発されて多くの作品が生み出されました。

水郷之美冠天下 昭和8年 徳富蘇峰書 佐原市立中央図書館蔵

哀(あい)    水郷の哀しみ

すべてを流し去ってしまう洪水に見舞われることは、水郷の定めでした。また、疱瘡(ほうそう)(天然痘)など伝染病による苦しみは人々の哀しみでした。

水害実記 
青柳保雄 【明治43年】

楽(らく)    水郷の楽しみ

水郷は、明治時代以降利根川に外輪蒸気船の就航、明治31年両国から佐原駅まで鉄道の開通、昭和初期銚子−佐原間に水上遊覧飛行、昭和11年旧水郷大橋の架橋により、東京から身近な観光地として脚光をあびました。

さつき丸【昭和33年 本館蔵】 
横利根川を航行するさつき丸。白い船体が水郷の水によく映えました。

自然(しぜん)    人々を包み込む自然

水辺に生きるものは人だけではありません。水郷の自然は、草木・魚・鳥・虫など生きとし生けるものが日々作り上げた見事な造形でした。

  コジュリン


本企画展は、競艇の交付金による日本財団の助成金を受けて実施しました。