千葉県立大利根博物館 平成16年度の展示
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収蔵品展「利根川の鳥たち」 |
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大利根博物館では、約100種類の鳥類標本を収蔵しています。これは、日本で確認された鳥類の約1/5にあたります。ほとんどが事故で首や翼が折れたり、海岸に打ち上げられ、偶然発見されて博物館に届けられたもので、当館では、これを剥製にし、収蔵してきました。また生態写真の蓄積もかなりの量になります。これらを2期に分けて紹介します。 T 春から夏の鳥 平成16年7月10日(土)〜9月5日(日) U 秋から冬の鳥 平成17年1月8日(土)〜2月13日(日) |
T 春から夏の鳥 カモやハクチョウなどの冬鳥が北の国に帰り、南からツバメなどの夏鳥がやってきます。シギやチドリが北へ向かう渡りの途中、干潟へ立ち寄ります。ウグイスやヒバリがさえずりはじめ、鳥たちは繁殖の季節を迎えます。さえずりは繁殖のための縄張り宣言。春から初夏にかけて、鳥たちはもっともよくさえずります。利根川のアシ原ではオオヨシキリやコヨシキリ、セッカがにぎやかに声を競います。 |
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アマサギ 田植えがはじまるころ、水郷のあちらこちらに、頭がだいだい色のアマサギの群れが降りています。もともと熱帯や亜熱帯に住んでいたアマサギが世界中で北へ北へと分布を広げ、この辺でも近頃ではふつうに見られるようになりました。 |
ツバメ 軒先や家の中まで巣を作るツバメは、昔から人々に親しまれ、大切にされてきました。忙しくエサを運ぶ親鳥、いっせいに口をあけてねだるヒナ、ほほえましい姿を見ることができます。 |
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ヨシゴイ サギの中では最も小さく、東南アジアの方から夏鳥として渡ってきます。水辺のヨシ原などにいますが、警戒すると首を伸ばしてじっと動かず、周囲のヨシに紛れるので、見つけるのがなかなか難しい鳥です。 |
タマシギ オスが卵を暖め、ヒナを育てます。メスは卵を産むとあとはオスにまかせ、また別のオスと一緒になって卵を産みます。鳥の世界では珍しい一妻多夫の習性を持っている鳥です。 |
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オオヨシキリ ギョシギョシ、ギョギョシ、ギョギョシ・・・。風にゆれるアシのてっぺんにとまり、にぎやかにさえずるオオヨシキリ。鳴き声から「行々子」という別名もあり、水郷の風物詩として昔から親しまれてきました。初夏のころ、アシの茎を数本たばねてコップ状の巣を作って卵を産み、ヒナを育てます。 |
バン 卵からかえったヒナは、全身がふかふかな綿毛に包まれています。体は小さくても足が達者で泳ぎもうまく、ピーピー啼きながら親のあとを追いかけます。 |
U 秋から冬の鳥 夏鳥が南の越冬地へ渡り、冬鳥が北国からやってきます。水辺にはカモやハクチョウ、河口や港にはカモメの仲間が集まります。ツグミやシメ、タゲリなども冬鳥です。また山へ行っていた漂鳥が平地に降りてきます。たとえばモズは平地に降りてくると、冬のなわばりを守るために良く鳴きますが、これがモズの高鳴きです。 |
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モズ キィーキィーと甲高い鳴き声が秋の訪れを告げます。鋭いくちばしを持ち、せいかんな面構え。群れを作らず、一羽ポツンと木の枝や電線にとまり、長い尾を動かしています。木の小枝やトゲに突き刺されたバッタやカエルなどを見かけたら、「モズのはやにえ」です。モズが捕らえた獲物を刺しておいたものです。 |
銚子港のウミネコ ミャーオ、クヮーオと猫に似た声で鳴きます。銚子港には、漁船が出す魚の残骸などをねらって、たくさんのウミネコが群れています。 |
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オオハクチョウ 冬にはシベリア方面から、たくさんの白鳥が日本に渡ってきます。日本で見られる白鳥には3種類あります。最も大きく、おでこの前にこぶのあるコブハクチョウ、それよりやや小さいオオハクチョウ、さらに小さなコハクチョウです。いずれも家族を単位とした群れで生活をしています。 |
マガモ 冬にはシベリア方面から、多くのカモたちも日本にやってきます。カモにも多くの種類がありますが、代表的なものがマガモです。アオクビという別名があるとおり、オスの首は美しい緑色をしています。それに対してメスは全身茶色の地味な色です。アヒルはこのマガモを品種改良して作られました。 |
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ツグミ 冬のあぜ道や畑の道を歩いていると、クイックイッと鳴いて飛び立つ茶色っぽい鳥をよく見かけます。11月ころに大陸から渡ってくる冬鳥で、水郷でもごくふつうに見られます。 |
タゲリ はね上がった冠毛、緑色に光った背中。田んぼの貴公子といわれるタゲリは、夏はシベリア方面でヒナを育て、冬に日本に渡ってきます。田んぼなどで小動物をつまみとるように食べています。 |