38 第百生命佐原ビル

(旧千葉銀行佐原支店)


所在地 佐原市
竣工年 T末期
所有者 第百生命保険総合会社
設計者 不明
施工者 不明
構造 RC2
外壁 モルタル塗り
屋根形状・葺材 陸屋根
建築規模 160.8

佐原には昔ながらの町並みも残るが,大正から昭和初期にかけて建てられた洋風の建築も数棟現存しており,町並みにとけ込んでいる。その代表的なものは煉瓦造2階建て,ルネッサンス様式の意匠を基調とした,三菱銀行佐原支店旧本館であるが,それに次いで重要なのが旧千葉銀行佐原支店である。

大正末に建てられた鉄筋コンクリート造2階建ての建築である。ルスティカ風の石積みを模した荒々しい基部と,なめらかな白い壁体が鮮やかなコントラストをなして,強い印象を与える。全体の構成や柱型等は古典主義的なものを感じさせるが,部分にゼツェッションの影響を見ることができる。玄関ドアの内側上部のレリーフ等は装飾性豊かであり,その傾向を顕著に示している。玄関を入ると正面に事務室がある単純なプランであり,背後の階段より2階へ上ることができるが,傷みが激しく,現在は1階部分しか使用されていない。

昭和49年より第百生命佐原営業所となり,改築の手が加えられ現在に至っている。大正期の鉄筋コンクリート造の建築としても貴重である。[江口]


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