4 近現代の関宿


 明治時代に入ると近代化・機
械化がすすんでいきます。利根
川水系には明治10年に蒸気船
「通運丸」が就航しました。
しかしその一方で鉄道や道路と
いった陸上交通網がしだいに整
備され、河川交通は次第に衰退
していきました。
 そうしたなか、利根川の治水
工事は、水運よりも洪水対策が
優先されるようになります。
利根川流域では明治43年の大洪水、そして昭和22年のカス
リーン台風などで甚大な被害を受けています。
 昭和初期頃までの治水工事
は、機械と人力の両方を駆使
し、地元の住民の重要な現金収
入源ともなりました。女達も歌
に合わせて堤防を棒で突き固め
る「土羽打ち」などに従事しま
した。
中渡築堤築立図(利根川上流事務所提供)
(女性による「土羽打ち」作業の後ろに土を運ぶ蒸気機関車が見える)