3 近世の関宿


 江戸時代はじめ、徳川家康が
江戸に入府して以来、関東の川
は数度の大工事を経て、ほぼ現
在のような流れに整いました。
東京湾に注いでいた利根川(現
在の墨田川の流れ)も東へ遷さ
れて銚子から外海に注ぐように
なりました。
 新しい利根川の流れは関宿で
江戸川に連結しており、北海道
や東北の物資を江戸の町に運ぶ
際の重要な交通ルートとなりま
した。ここで活躍したのが大型
の川船「高瀬船」です。
 このルートを使う船は必ず関
宿を通らねばならなかったの
で、ここには「水関所」が設け
られました。関宿の地は船頭さ
んや商人、旅人、そして多くの
物資が行き交い大変なにぎわい
だったのです。
「諸国勝景下総利根川之図」歌川広重画