鳩尾板(きゅうびのいた)
小手輪(こてわ)・はとのおのいたともいう。大鎧付属品で、左高紐の上を覆うようにつける一枚の縦長の鉄板。上部は山形となり普通は表に絵韋と小縁韋(こべりがわ)を伏縫(ふくぬい)したものを張り覆輪を廻らす。古くは中央に居紋(すえもん)金物を打つが、時代が降ると次第に上方に打つようになった。右側に「控の緒」(ひかえのお)をつけるものもある。裏は韋張りで、緒付けの鐶が打たれている。腕を上や横に開いたとき、左脇前が空くのを防ぐためにつけられたもので、形は異なるが右側の栴壇板(せんだんのいた)と一対をなすものである。