立拳(たてあげ)
「立ち上がり」ともいう。(一)よろいの胴で、脇板の線より上の前後の部分をいう。胸板、押付板より下で、長側(衝胴)(かぶきどう)より上の部分で、前立拳・後立拳という。大鎧・胴丸・腹巻・腹当は前立拳が二段で当世具足は三段である。後立拳は大鎧(逆板を含めて)・胴丸が三段で、当世具足は四段、腹巻は二段か一段である。「建上」「堅上」「立揚」とも書く。(二)臑当の上部、膝頭を守るようにつけられた部分を「立拳」という。形式によって「大立拳」「中立拳」「立拳」と分けられ、材質は臑当と同じもの。鎖・亀甲金包みなどがある。大立拳は南北朝時代頃から流行した。