No.403 2006/08/18(金)
セミヤドリガ
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教室博物館のサポーターのミヌサ先生がおもしろい物をつかまえた。お腹に1センチ弱の白いふわふわした物が付いたヒグラシ。飛べなくなって池に落ちていたのだそうだ。触ってみるとふわふわしているのは表面だけで何かの幼虫らしい。「セミヤドリガ」という名前がふっと頭に浮かんだ。早速、図鑑で調べてみると記憶は正しかったようで、目の前のものと全く同じ白いふわふわがセミのお腹にくっついている写真があった。 セミヤドリガは名前のとおり数少ない寄生性のガの一種。成虫は樹皮に産卵。孵化(ふか)した幼虫はセミに取り付き、セミの体液を吸って成長する。ロウ状物質におおわれた終令幼虫はセミから離れ、マユを作って蛹になる。孵化してから蛹になるまでは、セミの成虫の寿命とほぼ同じである1〜2週間程度。 図鑑にはセミヤドリガに寄生されることはセミ寿命にはさほど影響を与えないとあるが、つかまったヒグラシは池に落ちていたし、観察している限りかなり飛びづらそう。このメスのヒグラシの産卵はすでに済んでいるのかどうか気になるところだ。 (小田島高之) |
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セミヤドリガ Epipomponia nawai(セミヤドリガ科) ヒグラシ Tanna japonensis(セミ科) |
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