No.404 2006/08/25(金)
ゴマフボクトウ
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まるで白いドレスに身を包んだような体長5センチほどのガ。羽には細かい斑点が多数あり、胸は白い毛に覆われている。黒くみえる羽の斑点はよくみると濃い青緑色だ。そして腹部は同じ青緑と白とうぐいす色のボーダー柄。脚にも青緑の毛が生えている。かなりおしゃれである。 このガの名はゴマフボクトウ。ボクトウガ科の1種で、この仲間の幼虫は樹木の幹にトンネルを掘り、材を食べることが知られている。市川俊英(2003)の観察によると、近縁のボクトウガの幼虫は木の幹に掘った穴の入り口で樹液を吸いに訪れる昆虫を補食することがわかった。肉食のガというのはあまり例がない。そればかりでなく、幹の傷口をかじり続けて樹液が出続けるようにしているという。 このゴマフボクトウの幼虫も同様の生態を持っているのだろうか。ぜひとも観察してみたいものだ。 (尾崎煙雄) |
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ゴマフボクトウ Zeuzera multitrigata(ボクトウガ科) ボクトウガ Cossus jezoensis(ボクトウガ科) <文献> 市川俊英(2003)樹液に集まる虫たちとボクトウガ幼虫との関係.昆虫と自然 38(1):37-41. |
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