No.472 2007/07/06(金)
生かさず殺さず・・・
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三島小の校庭の裏山に近い芝生の上を怪しい物体がもぞもぞ歩いていた。体長は約6センチ。全身の色は黄色だが、後ろ半分に白いものがまとわりついている。毛虫であることは確かだが、それにしても変な格好だ。 これはコマユバチのなかまに寄生されたタケカレハの幼虫。生きているタケカレハの幼虫にコマユバチが卵を産みつけ、孵化したコマユバチの幼虫はそのままタケカレハの幼虫の体内で成長し、写真のような繭をつくり、成虫となって旅立つのだ。 さらによく見ると体長2ミリほどのキイロシリアゲアリがタケカレハの幼虫にまとわりついている。危うくアリの餌食となってしまうところだったようだ。 この幼虫を飼育ケースに入れた翌日にはコマユバチの成虫が何匹もでてきていた。タケカレハの幼虫は成虫になることはないだろう。生きながらにして他の昆虫に体を支配されている・・・。昆虫たちの生き残りをかけた厳しい争いを目の当たりにした。 (大木淳一) |
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タケカレハ Euthrix albomaculata(カレハガ科) コマユバチのなかま Braconidae sp.(コマユバチ科) キイロシリアゲアリ Crematogaster osakensis(アリ科) |
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