No.709 2009/06/09(火)
ゴマダラオトシブミ
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君津市清和地区・秋元城址近くに在住の野村さんからの投稿写真。 野村さん「城山の栗の葉でオトシブミが踏ん張って葉のカット作業中(写真1)。オトシブミが巻きの作業中(写真2)。」 黄色に黒の水玉模様。このかわいらしい甲虫はゴマダラオトシブミ。体長8ミリくらい。こうして葉に切り込みを入れ(写真1)、2つ折りにしてから巻いてゆく(写真2)。見事な職人芸を思わせる。巻いた葉の中には卵を産み付けてあり、卵からかえった幼虫はこの葉を食べて育つ。巻かれた葉を「揺籃(ようらん)」と呼ぶ。幼虫の「ゆりかご」という意味だ。揺籃には、枝からぶら下がるタイプと切り落とされて地面に落ちるタイプがある。 揺籃はその形から「落とし文」とも呼ばれる。平家物語などに出てくる古い言葉で、人目につくところにわざと落としておく匿名の文書のこと。これが転じてこの虫の名前になったわけだ。日本にはオトシブミの仲間が20種ほどいて、揺籃の作り方や形にもそれぞれ特徴がある。 (尾崎煙雄) |
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![]() 写真1 |
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![]() 写真2 |
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ゴマダラオトシブミ Paroplapoderus pardalis(オトシブミ科) クリ Castanea crenata(ブナ科) |
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