No.883 2010/10/07(木)
ホタルガ
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君津市南子安にお住まいのTさんからの問い合わせ。「我が家の玄関先で添付写真の珍しい?蝶?を見つけました。(写真1)」 これはホタルガという昼行性のガで、幼虫はヒサカキの仲間を食べます、と回答したところ、次のようなお返事をいただいた。 「君津に住んで30年近くなりますが、この蛾を見たのは初めてです。」 ここ数年、ホタルガの問い合わせを受けることが多い。Tさんのように「初めて見た」人が多いのだとしたら、市街地でホタルガが増えているのかもしれない。ホタルガの食草となるヒサカキは房総の自然林には多数生育するが、市街地には少ない。そのかわり、市街地では植え込みに使われるハマヒサカキが多い。図鑑によってはハマヒサカキは千葉県以西に自生すると書かれているが、『千葉県植物誌(2003)』では千葉県のハマヒサカキは自生ではなく「逸出」とされている。 そういえば、先日、千葉市内の埋め立て地でもハマヒサカキの植え込みにホタルガがいた(写真2)。ハマヒサカキ植栽の増加に伴って市街地でホタルガが増加している、という仮説を裏付けるデータはあるだろうか。 (尾崎煙雄) |
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![]() 写真1 |
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![]() 写真2 |
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ホタルガ Pidorus atratus(マダラガ科) ヒサカキ Eurya japonica(ツバキ科) ハマヒサカキ Eurya emarginata(ツバキ科) |
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