No.892 2010/11/10(水)
イズノシマダイモンジソウ
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林道沿いの崖地に咲いたイズノシマダイモンジソウ(写真1)。この植物はダイモンジソウの変種で千葉県と伊豆七島にのみ分布する。5枚の花弁のうち2枚が長く、漢字の「大」の字に見えるところから「大文字草」と呼ばれる(写真2)。花をよく見ると2つのタイプがあるのがわかる。写真3の右の花のように雄しべの先の赤い葯(やく)が目立つものと、左の花のように葯が目立たず中心の雌しべの先(柱頭)が伸びているもの。花のつぼみが開くとまず雄しべが成熟して花粉を放出し、雄しべがしおれた頃に雌しべの柱頭が成熟して花粉を受け取るのだ。このような性質を「雄性先熟」といい、多くの植物に見られる。できるだけ自家受粉を避け、他の花の花粉で受粉できるように進化した性質だと解釈できる。巧妙だと思う。 (尾崎煙雄) |
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![]() 写真1 |
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![]() 写真2 |
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![]() 写真3 |
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イズノシマダイモンジソウ Saxifraga fortunei ver. crassifolia(ユキノシタ科) |
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