清澄山系の天然林でイモリと出会った。イモリは房総丘陵の山間の水田やため池に生息しているが、水辺から離れた森の中で見かけることは少ない。この場所は水田から遠く離れた山奥で、最も近いため池でも数百メートルは離れている。カエルと同じく肺呼吸をするイモリの成体は陸上で生活ができるので、常に水中にいる必要はない。この個体は体長１０センチ弱とニホンイモリとしてはやや小型であった。今年の夏に生まれた若いイモリが新たな生活場所を求めて移動しているところだったのだろうか。
　（尾崎煙雄）

　ニホンイモリ　Cynops pyrrhogaster（イモリ科）