No.1276 2014/07/19(土)
ミルンヤンマ
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観察会の参加者の方が小糸川の渓流で見つけた体長7センチほどの立派なトンボ(写真1、2)。ミルンヤンマである。房総丘陵の渓流においては、ミルンヤンマはヤンマ類の中でもっとも多く見られる種と言ってよいだろう。 |
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![]() 写真1 |
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ところで、日本固有種なのに「ミルン」とは不思議な名前だと思われるかも知れない。これは明治時代に日本で活躍した地質学者ジョン・ミルン氏(John Milne)にちなんで付けられた名前なのである。 |
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![]() 写真2 |
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英国人ミルンは1876(明治9)に25歳で来日し、1895(明治28)年までの約20年間東京大学で教鞭を執った。この間、火山や地震をはじめとする研究に励み、その業績は日本の地学研究の礎として今も高く評価されている。彼は研究のために日本中を探検し50以上の火山に登ったそうだ。これだけ山を歩いていれば、渓流に棲むトンボを採集していても不思議ではない。昆虫学者としてのキャリアは知られていないが、きっとすぐれたナチュラリストであったのだろうと想像する。セリー男爵がうっかり動物学教授と書いてしまうほどに。 |
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ミルンヤンマ Planaeschna milnei(ヤンマ科) | ![]() |
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