４月にヒキガエルの蛙合戦と出会った湿地へ出かけてみた。一見静かだったが、水面に黒い塊があり、そっと近づいたらその塊が動き始めた（写真１）。不気味だったがさらに近づいて観察してみると、ヒキガエルのオタマジャクシから変態したばかりの子ガエル達が集まっていることが分かった。どうやら枯れ木が少しだけ水面から顔を出しており、それに登ったようだ。体長９ミリほどの子ガエルが一斉に上陸しているので、小さいながらも迫力満点だ。
　さらに渓谷を歩くとタゴガエルの子ガエルにも遭遇した（写真２）。体長７ミリくらいでピョンピョン元気良く跳ねるので、一見、カエルとは思えない。
　この時期はオタマジャクシから変態した子ガエル達を観察するのに絶好のシーズンだ。つい見とれてしまい、ずっとしゃがんで観察しているので、翌日は首が痛くて仕方がない。
　（大木淳一）

　アズマヒキガエル　Bufo japonicus formosus（ヒキガエル科）

　タゴガエル　Rana tagoi tagoi（アカガエル科）