No.1551 2017/09/29(金)

 モクズガニ


dummy

 川を歩いていると大きなカニを見つけた。モクズガニである(写真1)。モクズガニは中国料理で有名な上海蟹(チュウゴクモクズガニ)と同じ仲間で、日本各地で食用とされている。特徴は何と言っても鋏脚(きょうきゃく:はさみのこと)に濃い毛が生えていることである(写真2)。モクズガニの名前は、この毛が藻屑(もくず)のようであることに由来している。モクズガニは海で生まれるが、河川で成長して秋から冬にかけて川を下る。このような生態を降河回遊(こうかかいゆう)といい、魚だとウナギなどが当てはまる。
 モクズガニは鋏脚が2本、歩脚(ほきゃく:はさみ以外の脚)が8本あるが、今回見つけた個体は鋏脚が1本、歩脚が4本とちょうど半分の脚を失っていた。この個体がいつ脚を失ったのかはわからないが、自然界で生き抜くことの厳しさを感じた。無事に海にたどり着いて欲しい。
 (後藤亮)

dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy

 モクズガニ Eriocheir japonica(イワガニ科)

 チュウゴクモクズガニ Eriocheir sinensis(イワガニ科)

dummy


ニュース一覧へもどる