2020/06/04(木)
オチバノアカビョウタケ
清澄山系にて。暗い森の倒木上にあった落ち葉(写真1)。スダジイの枯葉だ。その葉柄に赤い点があるのに気づいた。

- 写真1
拡大して見ると、赤い点に見えたのは小さなキノコであった(写真2)。これはオチバノアカビョウタケだ。小さな画鋲のように見えるので「鋲茸(びょうたけ)」なのだろう。「傘」の直径は1ミリほど。いわゆるキノコ形をしているが、シイタケやマツタケなどが属する担子菌類(たんしきんるい)ではなく、アミガサタケなどと同じ子嚢菌類(しのうきんるい)の仲間。一枚の落ち葉も菌類にとっては立派な栄養源。枯れた植物の破片もこうして分解され、森の生態系は循環していく。

- 写真2
- スダジイ Castanopsis sieboldii(ブナ科)
- オチバノアカビョウタケ Lanzia huangshanica(ルトストロエミア科)
- シイタケ Lentinula edodes(ツキヨタケ科)
- マツタケ Tricholoma matsutake(キシメジ科)
- アミガサタケ Morchella esculenta(アミガサタケ科)
(尾崎煙雄)