2021/04/22(木)
竹林をさまようと観察できる地層
君津市内の竹林を1時間ほどさまよった(写真1)。

- 写真1 君津市内の竹林、中央に見えるのは育ち過ぎたタケノコ
ようやく地層が見られる場所にたどり着いた。砂層中に貝化石がたくさん含まれ、斜めの縞模様が見られる(写真2)。ヒヨクガイとバカガイが並んでいる(写真3)。ヒヨクガイの方が深い海に生息する二枚貝だ。バカガイの殻は浅い海から深い海へと流れ込んだものかもしれない。

- 写真2 貝化石と斜めの縞模様

- 写真3 二枚貝化石(右がヒヨクガイ、左がバカガイ)
先端のみ顔を見せている細長い巻貝はキリガイダマシの一種で、よく見ると螺肋(らろく)が美しい(写真4)。この周辺には地蔵堂層と呼ばれる約40万年前の地層が分布しており、写真の地層は三角州の堆積物と考えられている。地層が観察できたので、竹林をさまよって良かった。

- 写真4 巻貝化石(キリガイダマシの一種)
- ヒヨクガイ Cryptopecten vesiculosus(イタヤガイ科)
- バカガイ Mactra chinensis(バカガイ科)
- キリガイダマシの一種 Turritella sp.(キリガイダマシ科)
(千葉友樹)