2023/07/29(土)
涼しかった、川の生きもの観察会
7月29日、小糸川上流、清和県民の森で、観察会「山の学校160 川の生きもの1」が、開催された。このところ猛暑続きで雨も少なかったため、川の水量は例年になく少なかったが、川面を渡る風は涼しく、谷底で木々の木陰が多いことも幸いして、涼しく気持ちの良い観察会となった(写真1)。

- 写真1
水は少なくとも生物は豊富だった。見つかった生きものの一端をご紹介(写真2~7)。

- 写真2 ウグイの稚魚 最も多く見られた。

- 写真3 ギバチの稚魚 普段はあまり見られないが、何故か多く見られた。

- 写真4 ミズカマキリ この川では比較的珍しい。

- 写真5 シマアメンボ

- 写真6 アオダイショウ 両生爬虫類専門の学芸員がやさしく腕に乗せて回覧している。

- 写真7 ムカシツチガエル 2022年に君津市の標本をもとに記載された新種のカエル。DNA配列を調べたところ、古い時代に他の地域のツチガエルから分かれたことが明らかになった(Shimada et al. 2022)。関東から東北地方の太平洋側に分布しており、千葉県レッドリストでは最重要保護生物(ランクA)に選定されている。
最後は魚の研究員が本日の成果を解説(写真8)。様々な生きものに接することのできた一日だった。

- 写真8
- 【参考文献】
- Shimada T., Matsui M., Ogata M., Miura I., Tange M., Min M.-S. & Eto K. (2022) Genetic and morphological variation analyses of Glandirana rugosa with description of a new species (Anura, Ranidae). Zootaxa 5174 (1): 25-45.
- ウグイ Pseudaspius hakonensis (コイ科)
- ギバチ Tachysurus tokiensis (ギギ科)
- ミズカマキリ Ranatra chinensis (タイコウチ科)
- シマアメンボ Metrocoris histrio (アメンボ科)
- アオダイショウ Elaphe climacophora (ナミヘビ科)
- ムカシツチガエル Glandirana reliquia (アカガエル科)
(斎木健一)