フィールドノート No.2252

 2024/10/23(金)

 カントウカンアオイ

10月23日、東金にあるダム湖ときがね湖の湖畔を地元の方々と共に歩いた。湖を回る遊歩道の周囲は程よく整備され、ホトトギスやコウヤボウキ(写真1)など、季節の草花を堪能することができた。写真2、3はカントウカンアオイ。房総半島中部では普通にみられるが、地際に咲く地味な花は目立たず、見落としがちだ。タマノカンアオイはキノコバエが花粉を運んでいることがわかっているが、カントウカンアオイについては明らかになっていない。最近の研究で、アサトカンアオイではノミバエ科、フジノカンアオイではハヤトビバエ科のハエの関与が指摘されている。カントウカンアオイではどのような昆虫が花粉をはこんでいるのだろうか。


  • 写真1 コウヤボウキ。和歌山県の高野山では茎を束ねてほうきとして使ったという。
  • 写真2 カントウカンアオイは、葉の模様に変化が多いのだが、この個体には明瞭な模様はみられない。
  • 写真3 カントウカンアオイの花。花弁は退化しており、花弁のように見える三枚の三角形は萼片。

  • ホトトギス  Tricyrtis hirta(ユリ科)
  • コウヤボウキ  Pertya scandens (キク科)
  • カントウカンアオイ Asarum nipponicum var. nipponicum(ウマノスズクサ科)
  • タマノカンアオイ Asarum tamaense(ウマノスズクサ科)
  • アサトカンアオイ Asarum tabatanum (ウマノスズクサ科)
  • フジノカンアオイ Asarum fudsinoi (ウマノスズクサ科)

(斎木健一)