フィールドノート No.2253

 2024/11/26(火)

 キヅタの花

10月15日、千葉市内でキヅタの花を見かけた(写真1)。気温は低いが日差しがあり、ツマグロコシボソハナアブやキンバエの一種など、アブやハエの仲間がしきりに訪れていた(写真2,3)。キヅタはウド、タラノキ、ヤツデなどとともにウコギ科に属している。最近の研究によれば中でもヤツデやカクレミノとは比較的最近(中期中新世)に別れたと推定されていて、花もとても良く似ている(写真4)。


  • 写真1 キヅタは常緑性なので、晩秋でも葉は青々としている。キヅタの花は花粉を出す雄性期を経て雌しべを突き出す雌性期になるのだが、まだ咲き始めであるためか、ツボミと雄しべの突き出た雄性期の花ばかりで雌性期の花は見当たらない。
  • 写真2 キヅタの花で吸蜜しているツマグロコシボソハナアブのオス。ハエ・アブの仲間ではオスは左右の複眼が接し、メスでは離れているので区別ができる。
  • 写真3 キンバエの一種のメス。脚にたくさんの花粉が付いている。
  • 写真4 ヤツデの花。キヅタによく似ている。2013年11月に長生村で撮影。

  • キヅタ  Hedera rhombea(ウコギ科)
  • ツマグロコシボソハナアブ Allobaccha apicalis(ハナアブ科)
  • キンバエの一種 Lucilia sp.(クロバエ科)
  • ウド Aralia cordata(ウコギ科)
  • タラノキ Aralia elata(ウコギ科)
  • ヤツデ Fatsia japonica (ウコギ科)
  • カクレミノ Dendropanax trifidus(ウコギ科)

(斎木健一)