フィールドノート No.2395

 2025/9/12(金)

 アメリカタカサブロウと標本

 アメリカ高三郎とは、改めて考えると妙な名前だ。1981年に、それまでタカサブロウという植物だと思われていた草本の多くが、よく似た外来種であることがわかり、熱帯アメリカ原産であったことからアメリカタカサブロウと名付けられた。千葉県立中央博物館所蔵標本で最も古いアメリカタカサブロウの標本は1957年9月に名古屋市で井波一雄氏により採集された標本。全国の博物館の情報が集まっている、サイエンスミュージアムネットのデータベースでは1957年8月に群馬県館林市で採集された標本が最も古い。発見された1981年より24年も前にアメリカタカサブロウが関東や中部に侵入していたことが標本により証明できたのである。写真はすべて君津市で撮影した。

    写真1 アメリカタカサブロウの葉は、タカサブロウに比べて細い。
    写真2 中央に筒状花、周囲に舌状花が並ぶ構造は、キク科の特徴。
    写真3 実は上から見るとひし形に見える。
    写真4 実を取り出してみた。実の両側に翼が無いのがアメリカタカサブロウの特徴。
  • アメリカタカサブロウ Eclipta alba (キク科)
  • タカサブロウ Eclipta thermalis (キク科)

(斎木健一)