フィールドノート No.2426

 2026/2/4(水)

 屏風ヶ浦

 銚子市の屏風ヶ浦を訪れた。白い断崖絶壁の海岸が約10㎞続く。青い海と空、そして白い崖が織りなす景色は見事だ(写真1)。一方で、約300万年前~40万年前と約10万年前~現代の地層が観察できる絶好の露頭にもなっている。このように風光明媚でありながら、自然科学的にも価値があるため、平成28年に国指定名勝・天然記念物のダブル指定を受けている。また、地球の活動がわかる大地の遺産を大切に守り活用する地域である「銚子ジオパーク」は、平成24年に日本ジオパークの一つとして認定されている。この崖に人類の痕跡を探してみる。あるとしたら、崖の上のほうに残る10万年以降の地層の中だろうが、そこには見つけられない(写真2)。歩いていると崖の途中に穴が開いているのを見つけた。よく見ると、掘削の際の道具が当たった痕跡がある(写真3)。これは人の手で掘られたものだ。なぜ崖の途中に?この崖は、海の波等により今でも浸食が続いており、徐々に後退している。穴が利用されていた頃は、まだ浸食が進んでおらず、容易にアクセスできたらしい。防空壕に利用されていたというが、もしかしたらこの穴はもっと昔からあって別の目的で掘られたのかもしれない。

    写真1 約300万年前~40万年前の地層の絶壁が10㎞以上続く
    写真2 人が生活した約10万年分の地層が上部にのみ残る
    写真3 崖の途中に掘られた人為的な穴、掘削道具の痕跡が見える

(黒田篤史)