大下藤次郎 作

1904(明治37)年作
紙・水彩
21.0×33.0(cm)

 大下が明治34年に出版した『水彩画之栞』は、15版を重ねる驚異的な売れ行きで、水彩画の普及の原動力となりました。大下は、日常の生活やありふれた自然風景の中から美を抽出し造形化しました。この作品も、精緻な観察により、水彩特有の軽やかな筆触と澄明な色調で紫陽花を描き、光のゆらめきすら感じさせる作品に仕上げています。

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