大下藤次郎 作

1911(明治44)年作
紙・水彩
35.0×24.5(cm)

 この作品は、明治44年8月に松江から福井にかけて講習会のため旅行した際の所産である。三方五湖のひとつ久々子湖で、水辺で遊ぶ母子を描いたもの。色彩の豊かな大下としては、めずらしく全体が脂っぽい色調で統一された作品であり、少し感傷的な雰囲気を漂わしている。大下は、この直後体調を崩し、10月に41歳で亡くなっている。

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