千葉県立中央博物館
 平成18年度冬の展示

展示品の一部紹介

アナジャコの巣(模型)
アナジャコの巣(模型)
アナジャコの巣の石膏模型(全長277cm)
人物は模型制作者の佐野郷美氏
 アナジャコは、砂泥質の干潟や浅瀬にY字型の地下3mに及ぶ巣穴を掘ります。多いところでは、1m四方に100個以上の穴が見られます。つまり、1m四方に50匹以上のアナジャコが生息していることになります。この模型のようなトンネルが50本も地下に掘られていることを想像してみて下さい。アナジャコは、巣の真ん中で水流をつくってプランクトン等を食べています。たくさんのアナジャコがプランクトン等を食べることによって海水は浄化されます。しかも、この巣穴の壁にはたくさんの微生物が棲息し、海水の中のものを食べるので、海水の浄化能力はさらにアップするのです。

海苔養殖に使った道具
 「干潟の生産性」のコーナーに展示する予定の海苔に関する2点を紹介します。
 海苔は、海産物のなかで早くから人工的に養殖されてきた海草です。養殖は江戸の海で始まりました。海苔の種子(胞子)を付着させて育成するためには、ヒビと呼ばれる資材を海中にたてます。材料は、木・竹・網と改良されました。
海苔下駄(のりげた)
海苔下駄(のりげた)
海苔下駄を履いたところ
 海苔下駄を履いてヒビ建てをする場合は、両足を開いて海中に立ち股棒を身体の正面、両足の間に立てます。片足は海苔下駄に残し、もう一方の足を股棒の台木に乗せ、体重をかけて突き刺します。
 こんな、下駄で足がズブズブと潜らずに作業ができたのは、砂が硬くしまっていたからと考えられます。
股棒(別名:振り棒、みつまた)
股棒
股棒を使うまねをしているところ
 海苔が付くヒビを建てるための道具です。水深が深いところでは海苔下駄を履いて作業をします。股棒の先端を土中90センチほど突き刺し、棒を抜くと同時にヒビの根本を差し挿し入れます。

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