トピックス展 展示紹介 千葉県立中央博物館

トピックス展は、世の中の動き、季節の運行などにあわせて、
随時行っている小展示です。
来館のついでにどうぞ、見ていってください。


干支(えと)にちなむ貝
?戌年?
 これまで、6年間、干支にちなんだ名前をもつ貝類を紹介してきました。今年の干支は戌(イヌ)です。今回も、当館に収蔵されている二宮貝類コレクションなどの中から、戌年にちなんだ名前を持つ貝類を紹介します。
 イヌ○○という和名を持つものは、植物などでは少なくありませんが、貝類では極めてすくないのです。それは、和名の「イヌ○○」のイヌの部分は本来の○○に似ているが違うという接頭の言葉(漢字だと狗)であり、貝類では接頭のイヌを昔から使わなかったためと考えられます。

会期平成18年1月5日(木)から1月31日(火)
場所:千葉県立中央博物館
展示:第2企画展示室前通路 
展示内容:名前に、“犬”とか“dog”のつく貝 4種13個体
1.イヌフデ(犬筆[貝]) Nebularia contracta  南太平洋/ツアモツ諸島産
2.コリーフデ(コリー筆[貝]) Nebularia ustulata   フィリピン産
3.チヂミボラ(縮み法螺 [貝]) Nucella heyseana  千葉/飯岡町産
4.コジキムシロ(乞食筵[貝]) Ilyanassa absoleta  アメリカ東岸/ニュージャージー産 ・・・・3と4は、英語の名前に“dog”がつきます。

担当者:動物学研究科 黒住耐二 
イヌフデ(犬筆[貝])
 Nebularia contracta
 南太平洋/ツアモツ諸島産

 フデガイの仲間で、日本でも奄美諸島以南の主に熱帯のサンゴ礁の浅い海にすんでいます。
 別に犬に似ていませんが、右に紹介するコリーフデと関連させて、イヌフデとされたようです。
 ただ、イヌフデの和名は、その前に与えられたキツネフデ(やはりコリーフデの犬から連想されてキツネにされたようです)と同じ種をさしていることから、図鑑等でイヌフデの名は余り使われていません。 
 コリーフデ(コリー筆[貝])
 Nebularia ustulata
 フィリピン産

 フデガイの仲間で、日本でも奄美諸島以南の主に熱帯のサンゴ礁の浅い海にすんでいますが、数の比較的少ない種です。
 この種を日本で最初に報告された皇族の常陸宮様が、「ほっそりした殻形と褐色の斑紋とから、牧羊犬コリー種に因んで」名付けられました。 
 <担当より> 
 十二支の貝を、毎年出していますが、今までの6年は、楽勝だったんですけど、今年は、ご覧のように、種類が少なくて、少々苦労しました。
 実は、来年は、イノシシで、名前にイノシシがつく貝は、ちょっと思いつかないので、もっと苦労しそうです。それから先は、また、簡単なんですが。・・・今年一年かけていろいろ考えねば・・・。 (^。^)
問い合わせ先 〒260-8682 千葉市中央区青葉町 955-2
          TEL 043-265-3274 中央博物館動物学研究科
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