No.1 ドクツルタケ
Amanita virosa
ハラタケ目,テングタケ科,テングタケ属


プロフィール:新聞紙上で毎年死亡例が報道されるものの多くは本種か,近縁種のシロタマゴテングタケである.
 エレガントな姿からは想像もできない強い毒をもつ.致死量が約1本,食べた翌日位に本当の効き目が現われ,数日間から約1週間,苦しみ抜いた末に死んでしまう.食べた人の話によると,味は良いという.その姿と効き目から「殺しの天使」の名もある.和名は毒鶴茸の意味.
1993年7月10日,千葉市若葉区大宮町.
イヌシデとコナラの雑木林.
見分け方:図に見られるとおり,全体白色,ツボは深い袋状,ツボの上部はやや遊離する.柄にササクレがあるものを本種,柄にササクレが無いものをシロタマゴテングタケ A. verna(猛毒)とする.また傘表面がKOH試薬で黄変するものが本種とされている.
発生時期と生態:県内では7月から11月にかけて,主に谷津斜面のイヌシデ・コナラの雑木林など身近な環境に季節になるとたくさん見られる.
中毒のタイプ:A致命的な毒

毒成分:成分として速効性のファロトキシン群と,遅効性のアマトキシン群を含み,後者がはるかに毒性が強い.
 またドクツルタケはビロトキシンとよばれるアマトキシン類似の物質も含む.アマトキシン群の毒性は真核細胞のRNAポリメラーゼBに対する特異的阻害作用に基づき,それがタンパク質合成を阻害し,結果的に細胞破壊死をもたらす.つまりは肝臓や腎臓などの組織が再生できず,スポンジ状となり死亡する.
 
8gのドクツルタケ1本で,体重60kgの人を死亡させるほどの毒性分を有する.

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