No.9 テングタケ
Amanita pantherina
ハラタケ目
テングタケ科
テングタケ属

プロフィール :傘の上の白い斑点からいかにも毒のきのこの風情がある.味は美味であるが毒きのこである.和名は天狗蕈の意味で,江戸の坂本浩然の菌譜にも見られ「大毒アリ人ヲ殺ス」の記述がある.
見分け方 :図のように,褐色の傘表面には外被膜の名残である白色のいぼがあり,柄には内被膜の残りである膜質のつばがある.つぼは柄の基部にリング状に幾重にも重なる.シイやコナラなどのブナ科の広葉樹の林に発生するものは小型で華奢であり,モミ林などに出るものは柄が太くしっかりしたもので ある.最近のDNAの研究によりこの2つのタイプはかなり類縁が異なっていることが明らかになっている.
幼菌.1995年7月3日
一宮町 海岸のクロマツ林
発生時期と生態 :内では海岸のクロマツ林やコナラの雑木林などに,夏から秋に生じる.シラカバ林など限られた林にしか発生しない有名なベニテングタケに比べ,本種は様々な林に発生する.北半球暖温帯以北,アフリカに分布する.
中毒のタイプ
B胃腸の刺激
C中枢神経
毒成分
:胃腸の刺激をひきおこすムスカリンも含むが,イボテン酸が,生体内でムシモールとなり幻覚作用等を引き起こすと考えられている.
食すると最初酒酔い状態となり,その後嘔吐,腹痛,下痢,痙攣,精神錯乱などの症状をひきおこす.摂取量が多いと死亡例もある.有名なベニテングタケより毒成分の含量は多いと考えられ,遊び半分で食べると,本当にひどい目にあう
1991年9月25日
 千葉市中央区青葉町
傘の上の斑点が特徴

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