No.068 2002/07/04(木)

 カミキリの産卵痕


 アカガシの幹に変わった模様がついている。何者かが樹皮をかじった跡がほぼ等間隔に幹を一周している。直径16cmの幹にこのような跡が約30個あった。

 これはシロスジカミキリの産卵痕だ。メスが樹皮をかじっては卵を1個ずつ産みつける。

 拡大してみるとこんな様子。直径はおよそ1cm。樹皮を丸くかじり中心部はやや深く掘られている。

 この木は、先月シロスジカミキリの脱出孔をみつけたあのアカガシである。

 たった4匹でも幹が折れてしまうのだから、30匹ものシロスジカミキリに食い荒らされたらこの幹はひとたまりもないだろう。

 しかし、自然はそう単純ではない。近くのスダジイの幹にこんな模様がついている。数年前につけられたシロスジカミキリの産卵跡だ。

 でもこの木は元気で、カミキリの脱出孔も見当たらないし、幹を食い荒らされた様子もない。

 産みつけられた卵のうち、親にまで成長できるのはわずかなのだろう。木が防御物質を分泌するのかもしれない。カミキリの幼虫に寄生するハチもいる。

 木も虫も大変だなぁ、と思った。

(K)


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