No.1052 2012/08/18(土)

 クモバエ


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 館山市在住のFさんが保護した行き倒れのユビナガコウモリを見せてくださった(写真1)。コウモリを間近で観察する機会も少ないのでよく見ていたら、身体の表面をすばやく走り回る小さなアメ色の虫を発見(写真2)。「もしかしてこれは!」と思い捕獲した。
 2月にFさんが届けてくれたコウモリバエと同様、コウモリの体表に寄生して吸血するハエだが、これは「クモバエ」の仲間だ。一度見てみたいと思っていたあこがれの昆虫である。体長2ミリほどで、コウモリバエと違って翅はなく、かわりに脚が発達している(写真3、4)。とても昆虫とは思えない姿。まさにクモかダニのようだ。ヘラズネクモバエの仲間のようだがそれ以上は不明。
 保護されたコウモリはその後回復したので放してやったそうだ。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3(背面)
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写真4(腹面)
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 ヘラズネクモバエの仲間 Nycteribia sp.(クモバエ科)

 ユビナガコウモリ Miniopterus fuliginosus(ヒナコウモリ科)

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